訪問着はいつ着る?どんなシーンで着る?着こなし方は?

2024.04.08

訪問着はいつ着る?どんなシーンで着る?着こなし方は?

着物にはたくさんの種類があることをご存じですか?この記事では、幅広いシーンで着ることができる訪問着に焦点をあて、どのような場面で着るものか、どんな人が着てよい着物なのか詳しく解説します。
結婚式や七五三などのシーン別の着こなし方も紹介。混同されやすい『付け下げ』という着物との違いもまとめました。

お祝いの行事やお子さまのハレの日に、訪問着を着てみたいと考えている方もいらっしゃることでしょう。
七五三きものをはじめ、小学生の卒業式袴やお宮参りの衣装を取り扱うレンタルショップの『tententen』では、大人の訪問着レンタルも手掛けています。

日本の伝統衣装である着物は、お祝い事の席を華やかに彩る素敵な衣装です。
“きもののある生活”を楽しんでみたいときは、ぜひ当店の訪問着レンタルをご活用くださいませ!

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訪問着とは?

かしこまった席に参加する際、「フォーマルな服装で」とドレスコードを指定された経験はないでしょうか?この「フォーマル」を日本語に訳すと「正装」になります。
訪問着は女性の正装のひとつであり、準礼装という格式にあたる衣装です。

結婚式や披露宴で、新郎新婦の母親が黒留袖を着ているのを見たことはありませんか?
黒留袖は女性の第一礼装(もっとも格式が高い正装)です。ほかにも色留袖、振袖、黒喪服(弔事用)も女性の第一礼装に含まれます。

前述した準礼装は、第一礼装の次に高い格式です。よって、訪問着はかしこまった席や礼儀が必要なシーンに着用できる着物になります。

未婚でも着用はOK?

訪問着は未婚・既婚に関係なく着ることが可能です。前述した女性の第一礼装に話を戻すと、黒留袖は既婚女性のみ、振袖は未婚女性のみが着られる衣装になります。

その点、訪問着は年齢も関係なく女性なら誰でも着られるため、さまざまなシーンで着る機会に恵まれている優れもの。さらにちょっとしたお出かけにも着られるカジュアルな側面も持ち合わせているため、とても便利な着物なのです。

付け下げとの違いは?

訪問着とよく似た着物として『付け下げ』が挙げられます。付け下げは、格式でいうと訪問着の次になる着物です。

付け下げの特徴を一言で表すなら「訪問着より控えめな着物」といえば分かりやすいでしょうか。成り立ちとしては訪問着を簡略化し、豪華な柄を控えめにあしらったものが付け下げと呼ばれます。
付け下げが生まれたのは戦時中のこと。贅沢を敵とする風潮の中で華やかな色柄の訪問着が禁止され、その代用品として付け下げが作られたのだとか。

なお、付け下げも一つ紋を入れることで準礼装として着ることが可能です。訪問着と同様にさまざまな場面で着られる衣装なので、一着持っておくと便利でしょう。

訪問着の着用シーンと着こなし方

同じ訪問着でも、最適な着こなし方はシーンによって異なります。続いては訪問着の具体的な着用シーンと、それぞれのシーンにおける着こなし方をまとめました。

これから初めて訪問着を着る予定の方も、これまでに訪問着を着たことがある方も、ぜひ一度参考にしてみてくださいね。

結婚式・披露宴

結婚式や披露宴に招待されたときに着る訪問着は、格式の高い古典柄のものを選びましょう。古典柄の例は以下のとおりです。

・松竹梅
・桜
・菊
・牡丹
・手毬
・扇
・御所車 …など

一つ紋が入った訪問着のほうが格式高く、結婚式や披露宴の席にはぴったりですが、近年では紋はそこまで重視されません。
帯には、金糸銀糸を織り込みながら鮮やかな模様を描く『錦織』や、西陣織が有名な『つづれ織』の袋帯を選びましょう。帯締めも金色や銀色など、きらびやかなものを合わせると場にふさわしくなります。

草履は金色や銀色、もしくは淡い色のものを選ぶのがマナーです。長襦袢も薄い色にし、半襟と足袋は白にしましょう。
なお、髪飾り以外のアクセサリーをつけるのはマナー違反。訪問着はそれ自体の存在が華やかで美しいので、ネックレスやピアスなどはつけないでくださいね。

お宮参り・七五三

お宮参りと七五三は、子どもの成長を祈るお祝いの行事です。主役は子どもですから、子どもを引き立てる色柄の訪問着を選びましょう。

お宮参りにおける赤ちゃんの正装は、白羽二重(しろはぶたえ)という着物の上に祝着(のしめ)という祝い着を羽織らせたものです。訪問着を着る場合は、この祝着よりも派手にならない色柄のものを選んでください。
たとえば赤ちゃんの祝着が赤や青などの原色なら、訪問着の色は淡い色に。パステルカラーの祝着なら、ママの訪問着は薄めのクリーム色やベージュなどを選び、柄も古典柄で控えめなものを選ぶと釣り合いが取れます。

お宮参りも七五三も共通して、神社へ参拝し、子どもの健やかな成長を祈る行事です。神さまの前に立ち、手を合わせてお祈りすることを考えると、格式高い古典柄を選ぶ理由も分かりますよね。

なお、長襦袢と草履は薄めの色のものを選ぶこと。半襟は結婚式のように白という決まりはありませんが、淡い色にすると控えめで上品な印象になります。

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入学式・卒業式

子どもの入学式や卒業式にも、訪問着はぴったりな衣装です。入学式は、子どもが新たな学びに向けてスタートを切る大切な日。卒業式は次の一歩を踏み出すための門出の日になります。
子どもが引き締まる思いで式に参加する姿を、親も同じく背筋を伸ばして見守ってあげましょう。

お宮参りや七五三と同様に、入学式・卒業式の主役ももちろん子どもです。訪問着は紺やグレー、薄めのくすみカラーなど控えめなものを選びましょう。
柄は古典柄がおすすめ。以下の表には、入学式や卒業式にふさわしいおめでたい意味を持つ柄を集めました。

着物の柄 柄の意味
熨斗目 多くの人からの祝福
未来は明るい
始まり、新たな門出
うさぎ 飛躍、福を集める
立桶文 運気上昇
七宝 縁のつながり、調和

入学式や卒業式では、派手な訪問着は目立ちすぎてしまう可能性があります。特に入学式で目立ちすぎると、お子さまが学校生活の中で気まずい思いをしてしまうかもしれません。

繰り返しますが、入学式や卒業式における親はあくまで脇役。お子さまが平穏な毎日を送れるよう、上品で控えめな振る舞いを心がけてくださいね。

お茶会

訪問着はカジュアルな側面も持ち合わせていると前述したとおり、お出かけに着用しても問題ありません。

お茶会とは茶道のおもてなしのひとつで、大人数が一堂に集まりお茶を楽しむ会のこと。毎年秋になると、全国各地で『大寄せ茶会(おおよせちゃかい)』という名称でこのお茶会が開催されます。
日本にお茶の文化が広まったのは鎌倉時代のころ。古き良き日本の文化に親しむ席には、やはり着物がよく似合いますよね。

お茶会にはお茶の色に似た淡い黄緑色や、秋の季節に合う茶色系統のほか、品のあるグレーの訪問着がぴったりです。きらびやかな柄は避け、しみじみとした美しさを感じるような控えめで品のある一着を選んでみてくださいね。

観劇

能楽や文楽、歌舞伎などの日本の伝統芸能を観劇する予定があるなら、訪問着を着るよい機会です。主役は舞台に立つ役者の皆さまですので、訪問着の色柄は控えめで派手すぎないものを選びましょう。

なお、訪問着は観劇の衣装としては少し格式が高めです。格式が合っていないとまわりの観客から浮いてしまう可能性がありますので、訪問着は“特別な観劇の日の装い”として選んでみていかがでしょうか?

たとえば、客席の最前列や特等席など「普段よりよい席」で観劇ができるとき。そんな非日常を味わえそうな日に訪問着を着れば、特別感が増してもっと演劇を楽しめるかもしれませんよ。

お食事会・祝賀会

恩人や親しい人の家に招かれての食事会や、懐かしい面々が集まる同窓会、お祝いパーティーには少し華やかな訪問着で参加してみては?
品格は大事にしつつ、お祝いの場を彩るような色柄の訪問着を選びましょう。

淡いピンク色や黄色、薄紫色の訪問着は柔らかく上品な印象で、おめでたい席や賑やかな場にもよく合います。
気の置けない人との食事会や仲が良いメンバーが集まる同窓会なら、周囲の目を引く個性的な柄の訪問着もおしゃれです。

参加する方々との関係性や会の目的を考慮しつつ、場にふさわしい訪問着を選んでみてくださいね。

まとめ 訪問着で参加すると場も華やかに!

訪問着はかしこまった場でも、カジュアルな場でも着られる万能な着物です。また未婚・既婚に関わらず、年齢も気にせず着ることができます。
付け下げとよく混同されがちですが、訪問着のほうが格式は上だと覚えておきましょう。

きらびやかな色柄の訪問着はその場をパッと華やかにし、控えめな色柄の訪問着は品格漂う空気感を演出してくれます。着用シーンに合わせて最適な訪問着を選んでみてくださいね。

訪問着を着る機会の一例は以下のとおりです。

・結婚式・披露宴
・お宮参り
・七五三
・入学式・卒業式
・お茶会
・観劇
・お食事会
・祝賀会 …など

ほかにも訪問着を着られるシチュエーションはたくさんありますので、ぜひ探してみてくださいね。

訪問着は着る場面にあわせてぴったりな色柄のものを選びたいところ。いろいろな訪問着を着てみたいなら、レンタルが便利です。
tententenでは上品で落ち着いた雰囲気の訪問着を取り扱っておりますので、ぜひ一度ラインナップをご確認くださいませ♪

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