訪問着の着付けに必要なものは?チェックリストをご紹介

2024.05.01

訪問着の着付けに必要なものは?チェックリストをご紹介

着物を着付けする際にはたくさんの小物が必要です。忘れると着付けが大変になったり、着物の見栄えが悪くなったりとさまざまな支障が出てしまいます。

この記事では訪問着に焦点をあて、着るときに必要なものや着物の見栄えがよくなるアイテムを解説します!訪問着の着こなすためのポイントや、着物を選ぶ際の注意点もまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

小学生の卒業式袴や七五三衣装を取り扱うレンタルショップの『tententen』では、お子さんのハレの日に同行されるお母さんの訪問着レンタルも行っています。

当店では主役であるお子さんを引き立てる華やかな訪問着を豊富にラインナップ。今回ご紹介する小物類もすべて含めたフルセットでお届けしますので、お子さんの衣装レンタルとあわせてご利用くださいませ。

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訪問着を着るときに必要なもの

訪問着を着付ける際には全部で17点のアイテムが必要です。すべてがそろってこそ美しく正しい着付けができます。
以下に必要なものとそれぞれの役割をまとめましたので、確認してみてくださいね。

1.着物

まずは主役の着物から。訪問着は広げたときの模様が1枚の絵になっているのが特徴で、これを『絵羽模様(えばもよう)』といいます。

訪問着は女性の正装で、フォーマルなシーンで着られる着物です。色柄の選び方によって華やかさ、上品さ、そして控えめな美しさも演出できます。

祝賀会やセレモニーなどおめでたい席に出席する際には、豪華な古典柄の訪問着がよく映えるでしょう。
七五三や入学式・卒業式など子どものお祝い行事で着る際には、主役を引き立てる落ち着いた色柄の訪問着を選ぶのがおすすめです。

2.長襦袢

着物の下に着ることで着物に汗や皮脂などの汚れがつかないようにするのにくわえ、着崩れを防ぐのが長襦袢の役割です。
長襦袢の色は、白や淡いピンク色、水色などが一般的。女性の着物姿をよく見てみると、着物の衿(えり)が重なり合った下に、白や淡い色の布が重なってちらりとのぞいているのが分かりますが、これは長襦袢の衿です。

長襦袢に『半衿(はんえり:半襟とも書く)』という後付けの衿をつけると、着物の首元がパッと華やかになり、よりおしゃれな着こなしが叶います。

3.肌着

長襦袢の下に着るもので、肌襦袢や着物スリップとも呼ばれます。長襦袢と同様に着物の汚れを防ぐ役割を持ちますが、衿を見せるように着ることはせず、完全に肌着として中に着込むものです。

吸水性に優れた生地で作られたものが多いため、汗をかきやすい時期の蒸れやベタベタを和らげることができます。あわせて保温効果も期待できるため、晩秋から冬にかけての防寒にも役立つでしょう。

4.腰紐

着付けをするときに腰に結んで着物を固定したり、おはしょり(着物の丈をちょうどよくするために折り返した部分)を作ったりするために使うものです。
長襦袢に1~2本、着物に3本ほど使うほか、着付け中の仮止めに使用する場合もあるため5本あれば足りるでしょう。

綿や麻、ポリエステルなどさまざまな素材の腰紐がありますが、特にモスリン(ウール)素材の腰紐が扱いやすく、安価で手に入りやすいためよく使われています。
締め心地がよく、緩みづらく、着物の生地を傷めにくい腰紐をお探しなら、少し値は張りますが絹でできた腰紐もおすすめです。

5.伊達締め

腰紐の上から締めるもので、腰紐の安定感を高めるために用います。こちらも絹や化繊でできた伸縮性のないタイプと、『マジックベルト』と呼ばれるゴム製のタイプがありますので使いやすいほうを選びましょう。

6.衿芯

長襦袢の衿に差し込み、衿の形を整えるために使う板状のアイテムです。素材はプラスチックにナイロン、厚紙など。
衿にシワが入ったりよれたりすると見栄えが悪くなりますので、衿芯は必ず入れましょう。

7.コーリンベルト

長いゴムの両端にクリップがついたもので、衿が開いたり、着崩れたりするのを防ぐ役割を持っています。
使い方はまず一方のクリップで右の衿(襟を重ねたときに下になるほう)挟み、ゴムを背中に沿って反対側へ回し、もう一方のクリップで左の衿を挟むだけ。着付けに不慣れな方にこそ使っていただきたい便利アイテムです。

8.重ね衿

伊達衿(だてえり)とも呼ばれるもので、長襦袢と着物の間に重ねて着付けます。衿が何枚も重なっているように見せることで、より華やかに、おしゃれに見せるためのアイテムです。

重ね衿には「喜びが重なりますように」という意味があるといわれます。これは「衿を重ねる」ことに由来するもの。
着付けに必須の小物ではありませんが、おめでたい席に出席する際には重ね衿をつけたほうがより縁起がよくなりそうです。

9.帯

帯にはいくつか種類があり、種類別に格式の高さが異なります。訪問着に合う帯は『袋帯(ふくろおび)』と呼ばれるもので、表地と裏地の布を筒形に縫い合わせた形状をしているのが特徴です。

袋帯の全長は4m20~50cmほど、幅は約31cm。ほかの帯の種類である名古屋帯、半幅帯と比べると全長・幅ともにもっとも長くなっています。

10.帯板

帯の下に差し込むことにより、帯に張りを持たせるとともにシワを防ぐアイテムです。板の両側にゴムベルトがついているタイプなら、板をおなか側で支えた状態でベルトを背中側に回し、固定具を留めて装着します。

11.帯枕

訪問着に帯を巻く際には、背中で膨らみ(お太鼓)を持たせる『お太鼓結び』『二重太鼓』と呼ばれる締め方をします。
このお太鼓を作る際に使うのが帯枕です。大きめの帯枕を使えばボリュームがある華やかなお太鼓を、小さめの帯枕を使えば控えめで上品なお太鼓を作れます。

12.帯揚げ

帯枕を隠すために巻く布です。着付けの際には帯枕を覆って隠しつつ、帯の前面・上部に見えるように結びます。
結び方・見せ方次第で訪問着の印象をガラッと変えることができるため、着用シーンに合わせていろいろなアレンジを楽しめるでしょう。

13.帯締め

帯を固定するために、帯の上から真ん中に沿って結ぶ紐です。帯と同系色の帯締めを選べば上品で落ち着いた印象に、反対色など目立つ色を選べば個性的でおしゃれな印象を与えることができます。

現代ではさまざまな種類の帯締めが登場しており、シンプルなものから飾り付きの豪華なものまでありますので、訪問着をどう着こなしたいかに合わせて最適なものを選んでみてください。

14.足袋

洋服を着るときでいう靴下です。普通の靴下とは違って親指と人差し指の間が分かれており、草履を履けるようになっています。
訪問着には白色の足袋を合わせましょう。足袋のサイズが合っていないと足が痛む原因になるため、靴のサイズと同じものを選ぶと安心です。

15.草履

着物のときの履物です。ツヤのあるエナメル製、革製の草履を選べば上品なコーディネイトになります。
色は光沢のある金や銀、クリーム色やベージュなどの淡い色ならどのような訪問着にも合わせやすいでしょう。

16.バッグ

着物用のバッグの種類もさまざまです。訪問着はフォーマルな場に着ていくことが多いため、織物の利休バッグやクラッチバッグがよく合います。
バッグの色は草履と同じにするとコーデがまとまるでしょう。

結婚式やセレモニーなどお祝いの席に出席する際にはきらびやかなバッグを、お子さんのお祝い行事には控えめで上品なバッグを選ぶと、TPOに合う訪問着の着こなしが叶います。

17.髪飾り

訪問着のコーデにはゴージャスで大ぶりな髪飾りよりも、控えめながら品格漂うかんざしやコームがおすすめです。

そもそも派手すぎる髪飾りはフォーマルな場にふさわしくありません。古典柄が描かれたかんざしや、パールやラインストーン、水引がささやかにあしらわれた髪飾りを選べば、格式高い場にも違和感なく馴染んでくれるでしょう。

tententenの訪問着レンタルセットには、ここまでご紹介した髪飾り以外の16点がすべて含まれます。衣装の持ち運びに便利な衣装バッグにすべてまとめてお届けしますので、小物の準備不足や買い忘れもなく安心です♪

tententenの訪問着レンタルセットの内容はこちらからご確認を!

訪問着を着るときにあると便利なものは?

続いては、訪問着を着るときに役立つアイテムを紹介します。あると着付けが楽になったり、着物姿がより美しく仕上がったりするほか、着物を着ているときの困りごと解消にも役立ちますのでよければご用意くださいませ!

タオル・補正パッド

着物は、バストからウエスト、ヒップまでのラインがフラットな体型のほうがよく似合うとされています。ボディラインに凹凸があるまま着物を着ると、着物にシワが入ったり着崩れしやすくなったりと、デメリットがたくさん。

タオルや補正パッドは、ボディラインを整えることにより「着物が似合う体型をつくる」ために使うものです。使い方はシンプルで、胸の下や腰などにあてて固定することにより、体のメリハリをなくすだけ。
専用の補正パッドがなくてもタオルで充分代用できるので、普段使っているフェイスタイルを複数枚用意しておきましょう。

着物クリップ

着物クリップは、着付けの際に着物と長襦袢の首の後ろで合わせて留めるために使うものです。文房具のダブルクリップでも代用できます。
目的は、背中心(着物の背中の中心を示す縫い目のこと)がずれないようにすること。背中心がずれると、着物の着こなしが不格好になってしまいます。

着付けの最中に帯や裾を仮止めするときにも着物クリップは役立つほか、お手洗いで着物の裾をまくった状態で留めておきたいときにも便利です♪

衿ピン

重ね衿を固定するためのピンです。3本のピンが組み合わさったような独特な形をしていますが、ヘアピンや安全ピンでも代用できます。

重ね衿の固定は必須です。固定しないで訪問着を着付けすると、途中で重ね衿がずれて見た目が不格好になってしまう可能性があります。
ピンがない場合は少し手間がかかりますが、重ね衿を縫いつけて固定してもよいでしょう。

ウエストベルト

腰紐の代わりになるもので、ゴムベルトと呼ばれることもあります。腰紐は正しく締めることができていれば固定力抜群ですが、締めすぎると苦しかったり、緩すぎると着崩れのリスクが上がってしまったりと扱いの難易度はやや高め。

その点、ウエストベルトはゴムでできているため、通常の腰紐に比べて締め付けの強さは控えめです。
腰紐の締め付けが苦手な方は、おなかまわりに締める腰紐だけウエストベルトで代用すればだいぶ苦しさが和らぐでしょう。

訪問着の着こなしポイント

どんな色柄の訪問着を着るか、帯はなにを合わせればよいか迷ったときは“着用シーン”に焦点を当てましょう。
結婚式への参列に、パーティーや祝賀会などのおめでたい席、子どものお祝い行事など訪問着を着られるイベントはさまざまです。そして、最適な訪問着のコーディネイトは着用シーンごとにある程度決まっています。

着用シーン別の色選びのポイント

結婚式に着ていく訪問着は、ピンクや黄緑、淡い黄色、薄紫に水色など、ほのかに彩りを添える色合いのものがおすすめです。
お宮参りや七五三、入学式・卒業式には控えめない色やくすみカラーの訪問着がぴったり。

パーティーに出席する際には、会場を明るくする訪問着がよく合います。とはいえ主催者より目立つのはやはりNG。
派手すぎる原色やビビットカラーは避け、ツヤのあるピンクやクリーム色、黄色や橙色、パステルカラーや明るいグレーといった明度の高い色から選んでみてください。重ね衿をつけて首元に色を重ねると、上品かつ華やかなコーデになりますよ。

訪問着の柄や帯はどう選ぶ?

着用シーンの例からも分かるとおり、訪問着はお祝い事で着ることが多いです。おめでたい席に合う着物の柄は、鶴や亀、松竹梅、扇といった『古典柄』『吉祥文様(きっしょうもんよう)』と呼ばれるもの。
これらは縁起のよい柄とされているので、お祝い事にぴったりです。

訪問着の帯は、なりたいイメージに合わせて選びましょう。華やかで明るい印象を目指すときは、反対色の帯を選ぶと着物と帯がお互いを引き立て合い、パッと目を引くコーデに仕上がります。

落ち着いた雰囲気を演出するなら、着物に似た色もしくは同系色の帯を選びましょう。クリーム色の着物に金色の帯、深い青色の着物に黒の帯といった組み合わせは、大人っぽいコーデの例です。

訪問着にアクセサリーは必要?

結婚式や式典などフォーマルな場に訪問着を着ていく場合、アクセサリーはつけないのがマナーです。例外として結婚指輪はつけてかまいません。

着物を着ると首元はほとんど隠れるためネックレスは見えませんし、ブレスレットは鋭利な飾りがついていると訪問着の袖口を傷つけてしまう可能性があります。

貴金属や宝石で飾らなくても、着物はそれ自体が美しく華やかです。アクセサリーをつけないと寂しく感じるなら、おしゃれを楽しみやすい帯留めや髪飾りにこだわってみてはいかがでしょうか?

訪問着を着る際の注意点

着用シーンによっては、訪問着の色選びに注意が必要です。まず、結婚式や披露宴に訪問着を着ていく場合は、白っぽい色や黒っぽい色の訪問着は避けましょう。

白は花嫁の色、黒は新郎新婦の母親が着る黒留袖の色ですので、同系色を着るのはマナー違反です。薄いクリーム色や紺色など、遠目だと白や黒に見える可能性がある色も避けてください。
赤やビビットピンクなど、花嫁より目立つ派手な色の訪問着も控えましょう。

子どものお祝い事に控えめな訪問着を選ぶようにと前述したのは、主役である子どもより目立たないためです。
パステルカラーの晴れ着姿の子どもの隣に、ビビッドカラーの訪問着を着たお母さん。これでは子どもの存在感が薄れてしまいますので、注意してくださいね。

まとめ│訪問着を美しく着こなすためにも必要な小物類は忘れずご準備を!

訪問着の着付けには、非常に多くの小物が必要になります。改めて必要なものは以下のとおりです。

着物まわり 着物、長襦袢、肌着、腰紐、伊達締め
衿まわり 衿芯、コーリンベルト、重ね衿
帯まわり 帯、帯板、帯枕、帯締め
その他小物 足袋、草履、バッグ、髪飾り

ほかにも補正に使うタオルや仮止めに役立つ着物クリップ、衿ピンにウエストベルトなどがあると、訪問着を着るときに便利です。

訪問着はフォーマルな場に着ていくことが多く、着用シーン別に着こなしのポイントが異なります。
結婚式にほんのり華やかな色、パーティーには明るめの色、子どものお祝い事には控えめな色…といった具合に、TPOに応じた訪問着選びを心がけましょう。

子どものハレの日に着る訪問着をお探しなら『tententen』の訪問着レンタルをぜひご活用ください。淡い色合いに吉祥模様が施された、上品でありながら華やかな訪問着を豊富に取りそろえています。

レンタル品には、着付けに必要な小物類が一式含まれるためご安心を!お宮参りや七五三、卒業式の子ども用着物や袴のラインナップも豊富ですので、あわせてご覧くださいませ♪

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