自分でできる訪問着の着付け手順を詳しく紹介!初心者向けの着物の種類も

2024.05.24

自分でできる訪問着の着付け手順を詳しく紹介!初心者向けの着物の種類も

自分で着物の着付けができるようになったら、日本人女性として一皮むけた気分になれそうですよね。
この記事では訪問着の着付けの手順を分かりやすく解説。着付けに必要な小物も一式まとめて紹介します。

着付けをお店に依頼する際に役立つ『準備不足・忘れ物を防ぐチェックリスト』もご用意しましたので、目を通してみてくださいね。

訪問着を着る機会は意外と多いもの。お子さまがおられるならお宮参りに七五三、学校の入学式・卒業式の衣装としても訪問着はぴったりです。

お子さまのハレの日を彩る着物や袴のレンタルを手掛ける『tententen』では、お母さまの訪問着レンタルも取り扱っています。
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自分で訪問着を着付けする際の必要なもの一式リスト

訪問着の着付けには小物がいくつ必要かご存じですか?着物、帯、その他小物のカテゴリ別に必要なものをリスト化しました。
なにに使うものかも簡単に解説していますので参考にしてください。

着付けに必要なもの│着るもの

まずは着るものと、それを固定する小物一式です。全部で8点リストアップしました。

訪問着 女性の準礼装にあたる着物。既婚・未婚に関係なく着用可能。
肌襦袢 肌の上に直接着る和装用肌着。着物スリップとも呼ばれる。
長襦袢 肌襦袢と着物の間に着るもの。着物に汗や皮脂汚れがつくのを防ぐ。
半衿 長襦袢の襟に重ねる付け衿。汗などの汚れから長襦袢を守るもの。
衿芯 衿に入れて使う板。衿のシワやよれを防ぐ。
コーリンベルト 衿の着崩れを防ぐアイテム。長いゴムの両端にクリップがついている。
腰紐 長襦袢や着物を固定するための紐。4~5本必要。
伊達締め 腰紐を安定させるために結ぶ細長い布。2本用意する。

着付けに必要なもの│帯関連

帯を巻くのにも小物が必要です。使わないと帯の見栄えが悪くなるアイテムもありますので、以下の4点をきちんと用意しましょう。

着物の上から巻く。訪問着には2枚の生地を袋状に縫い合わせた『袋帯』を用いるケースが多い。
帯板 帯を巻く際に差し込む板。帯に張りを出す。
帯枕 帯をお太鼓結び(背中側に膨らみを作る締め方)する際、膨らみにボリューム感を出すために使うクッションのようなもの。
帯揚げ 帯枕を固定するために結ぶ紐を隠すため、上から巻く布。

着付けに必要なもの│その他小物

足元、手元の小物もそろってこそ、美しい訪問着のトータルコーディネートが完成します。以下3点の小物のご準備もお忘れなく!

足袋 着物を着る際に靴下の代わりになるもの。足の親指と人差し指の間が分かれている。
草履 和装用の履物。訪問着におすすめの色はクリーム、ベージュ、金など。
バッグ 着物に合わせるバッグ。利休バッグ、クラッチバッグなど。

おしゃれにグレードアップ!訪問着の小物リスト

訪問着は小物をプラスすることでぐっとおしゃれに着こなせます。コーディネイトがグレードアップする3つの小物をまとめました!

重ね衿

重ね衿とは訪問着の首元に重ねて使う衿です。平安時代のころ、上流階級の女性は正装として『十二単(じゅうにひとえ)』を身に着けていました。

当時は「単衣(ひとえ:裏地のない着物)を重ねるほど美しい」という価値観があったのだとか。何着もの着物を重ねることは「幸せが重なるように」との願いにもつながっていたとされています。

重ね衿をつけた首元は、さながら十二単のようです。訪問着には着物と同系色の重ね衿をつけると、控えめながら華やかな印象を与えることができます。

帯締め

帯の上から巻く紐状の小物で、帯を固定するために用います。とはいえ帯を締める上で絶対に必要なものものではなく、おしゃれ目的で使われることも多いです。

フォーマルな場に訪問着を着ていく場合には、白地に金や銀の柄があしらわれた格式の高い帯締めを選ぶのがおすすめ。
ほかのコーディネイト例として、帯と同系色の帯締めを選べば上品な印象に、反対色を選べばパッと目を引く抑揚のある着こなしが叶います。

帯揚げひとつでも訪問着の印象がガラッと変わりますので、何色か持っておいてよさそうですね。

髪飾り

着物を着る際にはまとめ髪にする方が多いのでは?顔まわりに目線を送ったとき、髪にキラリと輝く飾りがついていると洗練された印象になります。

訪問着にはコームやかんざしといった大人っぽい髪飾りがぴったりです。縁起のよい柄が描かれたコーム、ラインストーンやパールが点々と施された控えめなかんざしなど、TPOに合う髪飾りを選んでくださいね。

訪問着の着付けに便利なものリスト【補正関連】

訪問着を着付けるときには体を補正する必要があります。和装が似合う体型は直線的で凹凸のない、いわゆる寸胴体型です。
胸やお尻、くびれのメリハリをなくすのに役立つ補正グッズを3点紹介します。

タオル

タオルは補正グッズの定番です。特別なものではなく、普段使っているフェイスタオルやバスタオルを使っていただいてかまいません。

使い方もシンプルで、肌襦袢を着たら胸の下や腰の上など凹凸のある場所に畳んだタオルを当て、腰紐で固定するだけ。
凹んだところに厚みを足し、直線的な体型を作りたいときにタオルはとても役立ちます。

補正パッド

胸の下や腰などの、補正する場所に合う形に作られた専用のパッドです。装着が簡単なマジックテープ式のものや、蒸れやすい季節に重宝するメッシュタイプなど、さまざまな種類の補正パッドが販売されています。
手軽に補正したい方におすすめのアイテムだといえるでしょう。

和装用ブラジャー

胸が大きくメリハリの多い体型の方は補正が大変です。和装用ブラジャーは大きな胸をつぶす役割を持っています。
吸水性が高く汗を吸ってくれるもの、通気性がよいものなど種類豊富な和装用ブラジャーが販売されているため、活用してみてはいかがでしょうか?

訪問着を着る前のチェックリスト

訪問着を着る当日になって忘れ物が発覚したり準備不足に気づいたりすると、きっと慌ててしまうはず。ここでは抜け漏れなく着付け当日を迎えるためのチェックリストを用意しました!

着付けに必要なものはそろっていますか?

着付けに必要な小物は訪問着を着る前日までにきちんとそろえておきましょう。以下のリストを見ながら忘れ物がないか確認してみてください。

【訪問着の着付け必要な小物リスト】

1 訪問着 8 腰紐 15 補正アイテム
2 訪問着 9 腰紐 16 補正アイテム
3 長襦袢 10 17 草履
4 半衿 11 帯板 18 バッグ
5 衿芯 12 帯枕 19 髪飾り
6 重ね衿★ 13 帯揚げ
7 コーリンベルト 14 帯締め★

※★印がついた小物は必須ではありません。

着付けをお願いするお店に確認すること

着付けをお店に依頼する場合は事前予約が必要です。直前では予約を断られる可能性がありますので、予定が決まり次第なるべく早く(遅くとも1週間前までには)予約を済ませておいてくださいね。

予約時に確認しておきたいことは、以下のとおりです。

・来店時間(訪問着の着付けを何時までに終えたいか伝えた上で来店時間を聞く)
・依頼内容(着付けだけ、ヘアセットやメイクも一緒にお願いしたい…など)
・持ち物
・料金
・その他必要な準備や注意点

お店によっては「和装用の下着、足袋を身に着けた状態で来店してほしい」「前開きの洋服を着てきてほしい」などの決まりがある場合も。
お店に迷惑をかけないためにも、予約時にきちんと確認しておきましょう。

訪問着の着方の手順をご紹介

それではいよいよ訪問着を自分で着付けする手順を解説します。着物が似合う体に補正する方法と、肌襦袢・長襦袢の着方、訪問着の着付け方に帯の締め方まで説明しますので、参考にしてくださいね。

着付けの手順│①着る前の下準備

1.長襦袢に半衿をつける
長襦袢の衿に半衿を重ねて縫いつけます。

2.足袋を履く
訪問着を着たあとは体を曲げにくくなるため、先に足袋を履いておきましょう。

3.肌襦袢を着る
肌襦袢を羽織ります。左右の衿をそろえて片手で持ち、もう片方の手で背中側の布を下方向へ少し引っ張り、首の後ろと長襦袢の衿の間にこぶしが入るくらいの隙間(衣紋:えもん)を作りましょう。右、左の順に衿を重ねて完成です。

4.補正する
体の凹凸をなくすための作業です。胸の下や腰の上に畳んだフェイスタオルをあて、腰紐で結んで固定します。

5.長襦袢を着る
長襦袢を羽織り、衿に衿芯を通してピンと張ります。肌襦袢と同じように衣紋を抜き、衿を重ねたら胸の下あたりで腰紐を結んで固定してください。
全体にシワがないか確認しながら整えたら、腰紐を隠すように伊達締めを締めましょう。

振袖の長襦袢とは?選び方や着付け方法などを解説

着付けの手順│②訪問着を着付ける

1.訪問着を羽織る
訪問着を羽織り、長襦袢の袖を持ちながら袖を通します。重ね衿を使う場合はあらかじめ訪問着の衿の内側に重ね、首の後ろあたりに数ヵ所ピンを差して固定しておいてください。

2.背中心を合わせる
左右の衿の真ん中あたりにある縫い目をそろえて片手で持ち、もう片方の手で背中心(着物の背中の中心を通る縫い目)を持ちます。両手を何度か上下に引っ張り合い、背中心が背中のちょうど真ん中にくるよう整えましょう。

3.裾丈を決める
両衿の先から15cmほど上を持ち、くるぶしが隠れるくらいの高さまで裾を持ち上げます。右、左の順に衿を重ね、重ね衿がある場合は訪問着の衿の下から5mmほど覗くように整えてください。
おへその高さあたりで腰紐を結んで固定します。(※着崩れ防止のためきつめに結ぶこと!)

4.おはしょりの基礎を作る
身八つ口(両脇に開いた穴)から両手を差し込み、手を手刀の形にして内側から前後の布を下方向へ伸ばします。外側からも整えましょう。

5.衿を合わせる
左の身八つ口から左手を入れて右衿(下に重なったほう)を持ちます。右手に持ったコーリンベルトを衿の間から入れ、左手で持っているあたりの衿を金具で挟み、そのまま左手に渡しましょう。
左手とコーリンベルトを身八つ口から引っ張り出し、そのまま背中側へ回します。両衿を整えながら重ねたら、左衿(上に重なったほう)に金具を挟んでください。

6.腰紐で固定する
両脇のすぐ下あたり、次に胸の下あたりの2ヵ所に腰紐を結んで衿を固定します。着物全体のシワやよれを整えましょう。

7.おはしょりを整える
おはしょりの下ラインが真っすぐになるように整えます。6で締めた腰紐の上から伊達締めを結んだら完成です♪

着付けの手順│③帯を締める

1.帯を合わせる
おはしょりの上に帯板を巻きます。左手で帯の端を持って胸の下あたりに添え、残りの帯は左肩からかけて背中側に垂らしておきましょう。

2.帯を巻く
垂らした帯を右手に取り、帯板に重ねながら胴に一周巻きます。帯がしっかり締まるよう引っ張りながら二周目も巻いてください。左手で持った帯はここで離してかまいません。

3.仮留めする
巻き終わった残りの帯は折り上げて、一旦右肩にかけましょう。帯の上のラインに沿って紐を一周巻いて結び、仮留めします。
右肩から帯を下ろし、帯のシワやよれを整えながら背中側に垂らしてください。

4.お太鼓の土台を作る
帯を浮かせ、帯の上のラインよりやや上に帯枕をセットし、胸の下で紐を結びます。結び目は帯と着物の間に押し込み、隠しておきましょう。3で結んだ仮留め紐はここで外します。

5.帯揚げを締める
帯揚げを両手で持って背中側に回し、帯枕を包み込みながら両端を前に持ってきます。帯の上で結び、帯と着物の隙間に入れてください。
帯揚げは帯の上から少し覗かせることでアクセントになるので、すべて押し込まなくてOKです。

6.お太鼓を作る
4で外した紐を持ってお太鼓の内側に通し、帯の下ラインより少し上あたりにあてておきます。垂らした帯の両端を手で持ち、紐を巻き込みながら上へ、内側へたくし上げていきましょう。
帯の裾が10cmほどに余るくらいになったら手を止め、紐を体の前へ回し、帯の真ん中で結んで仮留めします。

7.お太鼓を整える
1で左肩にかけておいた帯の余りをお太鼓の左側から差し込み、右側から2~3cmほど出します。
帯締めをする場合はお太鼓の内側を通しながら体の前に回し、縦横の中心に結び目がくるように結びましょう。最後に6で結んだ仮留めをほどき、帯全体の形を整えれば完成です。

訪問着の着付け初心者でもできるお助けアイテムは?

着付けに慣れないうちは途中で着物が崩れてしまったり、帯を支えながら巻いたりする動作が難しく感じるかもしれません。
そんなときにぜひ活用していただきたい、着付け初心者の方におすすめの便利グッズをまとめました!

着物クリップ

着付けの途中で帯を仮留めしたいとき、着物と長襦袢の背中心を合わせて留めておきたいときなどに役立つのが着物クリップです。
洗濯バサミに似た形で、押さえておきたいところに挟んで使います。

お手洗いで裾をまくって留めておきたいときにも重宝するため、ひとつ持っておくと便利ですよ。

衿ピン

着物と重ね衿を固定するためのピンです。
ヘアピンや安全ピンで代用してもかまいませんが、専用アイテムのほうが着物や重ね衿の生地を傷つける心配なく使えるでしょう。

ウエストベルト

ゴムでできたベルトで腰紐の代わりに使います。ゴムなので伸縮性があり、胸の下やおなかまわりに巻いても締め付けを感じにくいのがメリットです。
腰紐を締めたときの息苦しさが苦手、きつく結ぶのが難しく感じるという方は使ってみてはいかがですか?

初心者でも着付けしやすい訪問着の種類は?

初めて着付けに挑戦するなら、できるだけ簡単に着られる着物を選びたいですよね。ここでは初心者でも着付けしやすい訪問着の種類をまとめました。

化学繊維でできたもの

化学繊維であるポリエステルの生地で作られた着物は、型崩れしにくくシワになりにくいというメリットがあります。

天然素材でできた着物は繊細で光沢があり上品ですが、シワができやすく初心者にはやや難易度が高め。ひとりで着付けにチャレンジしたいなら、最初はポリエステル素材の訪問着で何度か練習してみるのがおすすめです♪

着付けに必要なものが一式そろうレンタル訪問着

洋服とは異なり、和装の着付けにはたくさんの小物が必要になります。初めて着付けに挑戦したいと思っても、一から小物をそろえるのは大変です。

そんなときは、着付けに必要な小物も一式借りられるレンタル訪問着を活用してみてはいかがでしょうか。
レンタルなら自分で小物を買いそろえる必要も、着付け当日に忘れ物をする心配もなく、安心して訪問着を着付けることができますよ。

訪問着を着るのにかかる時間はどれぐらい?

訪問着の着付けにかかる時間はだいたい30~40分程度。これは着付けに慣れている場合の時間目安ですので、初めて着付けをする方は余裕をもって60~90分ほどかかる想定をしておきましょう。

訪問着の着付けは、ひとつひとつの手順を丁寧にこなしてこそ美しく仕上がります。慌てて着付けをすると、いざ出かけてから着崩れてしまう可能性も高くなるため、余裕を持ってスケジュールを組んでくださいね。

まとめ|訪問着は自分で着付けできる!最初は難しくても慣れれば簡単に♪

訪問着の着付けは手順が多く、小物もたくさん必要です。自分で着物を着たことがない人にとっては難易度が高く感じるでしょう。
しかし、何事も最初は難しいもの。いざというとき自分でパパッと着付けができると便利ですので、ぜひ着付けの技術を会得してみませんか?

訪問着の着付け必要な小物は以下のとおりです。

訪問着 腰紐 補正アイテム
肌襦袢 伊達締め 足袋
長襦袢 草履
半衿 帯板 バッグ
衿芯 帯枕 髪飾り
コーリンベルト 帯揚げ

あわせて、いま一度今回ご紹介した着付けの手順を簡単におさらいします。

【着付けの下準備】
1.長襦袢に半衿をつける
2.足袋を履く
3.肌襦袢を着る
4.補正する
5.長襦袢を着る

【訪問着の着付け方】
1.訪問着を羽織る
2.背中心を合わせる
3.裾丈を決める
4.おはしょりの基礎を作る
5.衿を合わせる
6.腰紐で固定する
7.おはしょりを整える

【帯の締め方】
1.帯を合わせる
2.帯を巻く
3.仮留めする
4.お太鼓の土台を作る
5.帯揚げを締める
6.お太鼓を作る
7.お太鼓を整える

着物を自分でパパッと着付けられたらかっこいいですよね♪
訪問着の着付けは初心者なら90分以上かかる場合もありますが、慣れるまではじっくり丁寧に手順を踏んでいきましょう。

tententenの訪問着は、初心者でも着付けしやすいポリエステル素材。お子さまのハレの日にぴったりな、控えめながら華やかで上品な色柄を取りそろえています。

着付けに必要な小物も一式そろえてお貸出ししますので、着付け当日に忘れ物をして慌てる心配もなし。お宮参りに七五三、入学式・卒業式のレンタル衣装をお探しなら、ぜひ当店の訪問着レンタルをご利用くださいませ。

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